MAGAZINE| 金属アレルギーになる原因は?安心してジュエリーを楽しむために

MAGAZINE| 金属アレルギーになる原因は?安心してジュエリーを楽しむために

金属アレルギーであっても、
ジュエリーをつけておしゃれを楽しみたい!

ネックレスをすると首がかゆくなる、肌が荒れて赤くなる etc…
日本人の10人に1人が発症しているといわれる「金属アレルギー」。

金属アレルギーは、症状が出る素材を身につけなければ発症しません。
ですがそれだとジュエリーを楽しめません!
金属アレルギーの発症の仕組みや、アレルギー反応が起きにくい素材などを知ることで
ジュエリーをつけておしゃれを楽しむことができます。
金属アレルギーに不安を感じている方も
下記の内容を参考に、おしゃれの幅を広げましょう。


アレルギーとは?TOP

●金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは、身につけたアクセサリーや時計などに含まれる金属が汗や皮脂と反応し、体内に微量の金属イオンが溶け出すことで起こるアレルギー性接触皮膚炎とよばれるアレルギー症状の一種です。
皮膚の免疫システムがこの金属イオンを「異物」と判断し、かゆみやかぶれといった症状を引き起こします。
「体質だから仕方がない」と思われがちですが、生活習慣や環境によって突然発症することもあります。


アレルギー症状

金属アレルギーの主な症状

✔︎ かゆみや赤み:最も多い初期症状
✔︎ 湿疹やブツブツ:繰り返し接触すると悪化する場合あり
✔︎ ただれや痛み:重症化すると生活に支障をきたすことも

金属アレルギー症状は、ピアス・イヤリング・指輪・ネックレス・腕時計といった長時間肌に触れるアイテムで症状が出やすいのが特徴です。
もしジュエリーなど貴金属を身について、少しでもかゆみなどの症状が出て「自分は金属アレルギーかもしれない」と思ったら、皮膚科でのパッチテストをおすすめします。
皮膚科でのパッチテストは、皮膚に少量の金属を貼り付け、反応の有無を確認する方法で、どの金属にアレルギーがあるか特定することができます。
安心して身につけられる金属を知ることができ、今後のジュエリー選びにも役立ちます。


金属アレルギーの原因になる金属

ニッケル
アクセサリーの場合、光沢を出し強度も上げてくれるニッケルは、最も金属アレルギーの頻度が高い金属です。ニッケルメッキや合金に用いられ、ニッケル合金製品(バックル、腕時計、ジュエリーなど)、硬貨(50円玉、100円玉、500円玉)、歯科金属、陶磁器、磁石、塗料、ガラスなど多種多様な場面で使用されています。
ニッケルフリーとしてニッケルを、限りなくゼロに近いか、最小限に抑えたジュエリーもありますが、日本では明確な規格がなく、製品に含まれるニッケルの量はメーカーによって異なりますので注意が必要です。

コバルト
ニッケルと並んで頻度の高い金属です。 ニッケルアレルギーのあるひとは同時にコバルトに対するアレルギーを持っていることも少なくありません。ニッケルメッキをされた金属にはほとんどコバルトが含まれているため注意しましょう。

クロム
合金、クロムメッキの他、染料の原料や皮をなめす際に使用されています。時計のベルトや日用品にも使用されているため、メッキ金属以外にも濃い服の衣服や皮革製品と接触した際に皮膚炎を起こす場合は、クロムアレルギーの可能性を考えましょう。

金属アレルギーの金属別反応一覧



アレルギー対策TOP

●金属アレルギー対策

「絶対にアレルギーを起こさない」ことは難しいですが、正しい素材を選び、扱い方を学ぶことで大きくリスクを減らすことができます。金属アレルギーを予防・軽減するためには、以下の方法が効果的です。

日常生活でできる予防方法は?

✔︎ 肌に優しい素材を選ぶ
金属アレルギーが起きにくいとされている素材は、サージカルステンレス・チタン・プラチナ・ゴールド、樹脂です。 特に「サージカルステンレス316L」は、メスなどの医療器具にも使用される最上級の316Lステンレスを使用したもので金属アレルギーを起こしにくく、お肌に優しい素材といわれています。
金属アレルギーを発症しやすい素材は、ニッケル、パラジウム、コバルト、クロム、亜鉛、銅です。 こちらの素材はアレルギー反応が強くなるため、お肌が弱い方や過去に金属アレルギーを発症した経験のある方は避けた方が安全です。


✔︎ 長時間の着用を避ける(汗をかいたら外す)
金属金属アレルギーは、汗や温度変化で溶け出した「金属イオン」を体が「異物」とみなして免疫反応を起こすのが原因です。
そのため運動をする時や、温泉、海水浴などの汗や温度変化が起こりやすいシーンでは着用を控えると金属アレルギーの発症を抑えることができます。 また、服の上から着けるなど、肌に直接触れないようにする工夫するとより効果的です。


✔︎ ジュエリーにコーティングを施す(透明の保護剤など)
金属アレルギー防止のコート剤をお手持ちのジュエリーに塗布することで、肌に触れた金属が溶け出すのを防ぐことができます。 ピアスのポスト(ピアスホールに通す金属部分)に直接かぶせることのできる樹脂製のピアスカバーをつけるのもおすすめです。


✔︎ 日常的に肌とジュエリーを清潔に保つ
着用後は汗や皮脂を柔らかい布でやさしく拭き取り、専用のジュエリークロスを使用しましょう。保管する際は湿気を避け、個別のケースやポーチに入れておくと酸化や摩擦を防げます。日常的なお手入れで、肌にもジュエリーにも優しい環境を整えましょう。


金属アレルギーが起きにくいジュエリー

●金属アレルギーが起きにくいおすすめのジュエリー

アクセサリーを着用する際、金製品選びも気をつけましょう。 金属アレルギー対応の素材を選べば、ジュエリーを安心して楽しむことができます。

チタン
チタン
チタンは、ロケットや航空機の部品、人工関節やペースメーカーなど多くの場所で使用される素材です。
重さは、シルバー素材の約半分と軽く、ゴールドやプラチナなどの素材と比べると約4分の1の軽さです。強い強度を持ち、変形や変色がほとんど起きない丈夫さが特徴です。 人体にも優しく金属アレルギーを発症しにくい素材のため肌が弱い方も安心してつけられる素材です。

ステンレス
ステンレス
金属アレルギー対応として人気の高い素材です。「サージカルステンレス316L」は、メスなどの医療器具にも使用される最上級の316Lステンレスを使用したもので 金属アレルギーを起こしにくく、お肌に優しい素材です。
ミルフローラで取り扱っている「ファインスティール」は高品質なステンレス素材のことです。汗や水に強く錆びにくい特徴を持ち、金属アレルギーを起こしづらいため、肌に優しい素材です。日常使いに適しており、プラチナのような光沢を感じられます。

プラチナ
プラチナ
プラチナは、耐食性が高く、比較的アレルギーを起こしにくい素材です。
プラチナ100%の場合、素材として柔らかいためジュエリーとして加工する際にはパラジウムなど他の素材を混ぜ合わせて強度を上げて合金を作ります。パラジウムは汗にやや弱いためアレルギー反応を起こすことがありますが、プラチナに使われるパラジウムはわずか10%程度であることが多く、金属アレルギーを起こす人はそれほど多くないと言われています。
プラチナは「Pt950」や「Pt900」などと表記され、数字が大きいほどプラチナの純度が高くなります。

ゴールド素材
ゴールド(10金・18金)
ゴールド素材は、プラチナと同じように腐食に強く、金属アレルギーを起こしにくいと言われています。
ゴールドを示すものに「18K」や「24K」などがありますが、この数値は24分率で表したゴールドの純度です。18Kであればゴールド75%と他の金属が25%という割合です。
ジュエリーで使われるゴールドは純度100%であることがあまりなく、他の金属が混ざっていることが一般的です。ゴールドの純度が高いほどアレルギーリスクが低くなります。

樹脂・シリコン素材 樹脂・シリコン
樹脂ピアスに使用される素材で有名なのがポリプロピレン(PP)という素材です。
指で押すとしなる程に柔らかく、光が当たると白っぽく見えるという特徴があります。金属を含まないためアレルギー体質でも安心してお使いいただけます。ただし、ピアスのポストやキャッチが樹脂でも、飾り部分には金属が使われているものも多いので、少しでもかゆみを感じた際はコート剤やカバーを使用することをおすすめします。


ジュエリーを楽しむためのポイントTOP

●ジュエリーのお手入れ方法

金属の酸化を防ぐのに、日常的なお手入れは欠かせません。永くジュエリーを楽しむためにお手入れ方法を学んで、楽しいジュエリーライフを手に入れましょう。
  • ジュエリーを外した時1
  • ジュエリーを外した時2
ジュエリーを外した後のケア
汚れていないように見えても軽く拭くなど簡単なお手入れをしましょう。汗や皮脂、化粧品などがついたままで保管していると、変色や変質の原因になります。身につけた後は、柔らかい布やセーム皮などで、ジュエリーに付着した汗や汚れをお拭き取りしましょう。
  • ジュエリーの保管方法1
  • ジュエリーの保管方法2
ジュエリーの保管方法
他の宝石、貴金属と触れますとキズを付け合うこともありますので、柔らかい布等で包むか、仕切りのあるジュエリートレイに入れるのがおすすめです。あまり出番のないジュエリーは、透明なチャック袋に入れておきましょう。中身が確認しやすく、場所も取らないため、コンパクトに収納することができます。